市場原理主義

06.1.28

ライブドア事件、耐震偽装事件、JR西日本事故。これらには共通する
部分があるようだ。

読売新聞の「ライブドア事件を語る」で藤原正彦 お茶の水女子大教授
はズバリ言っている。

90年代以降、新自由主義ということで規制緩和が行われ市場原理主義
が持ち込まれた。それは人々に徹底した競争を強いてついには1割の
勝者と9割の敗者が生まれるという。

徹底した効率化で金銭至上主義に向かう。藤原教授が言うには日本人
は歴史上、金銭至上主義とは最も遠い民族だった。サムライ、武士道
では慈愛、誠実、忍耐、正義、勇気が行動基準だった。権力や教養は
身に付けても金は持たなかった。それでも尊敬された。

市場原理主義により日本人が本来持っていた弱者に配慮する情緒
(惻隠の情というらしい)が崩壊された。その結果がライブドア、耐震
偽装、JR西日本の事件につながっているようだ。
たまたま乗り合わせた乗客であり、知らずに買った住民であり、
一般株主だ。
市場原理主義は人間の価値基準や行動基準まで変えるらしい。

「民間でできることは民間に」「改革を止めるな」と言っていた結果がこれだ。
小泉首相は人生で大事なものは「夢と希望とサムマネー」と言っていたが
よく言うよと言いたい。